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MAGAZINE

橋本竜樹の日記             2020.05.15-05.21



5月15日

アップデート

かれこれ20年近く使っているAppleの音楽ソフト“Logic Pro X”を最新版にアップデートする。いつもならバグが怖いので様子見をするのだけど、仕事もないし暇なので思い切ってやってみる。新機能を触って遊ぶ。まだ、こういうのを楽しめることを確認する。楽しめる自分にほっとした。

自粛生活は今のところアップデートされず。


5月16日

ゴジラ

テレビをつけていたら、数年前にオーチャードホールで行われたらしい、鷲巣詩郎による“シン・ゴジラ”と“エヴァンゲリオン”の音楽をオーケストラで演奏したコンサートが始まる。エヴァの流麗な楽曲が楽しい。途中、伊福部昭のゴジラの楽曲も演奏されたのだけど、やはり雰囲気がガラッと変わる。それは、まさしく異形が生まれた時の音楽だと思った。鷲津詩郎の楽曲は異形が認知されてジャンルとして成熟してからの音楽で、とても華やかに聴こえた。伊福部昭のゴジラの楽曲には恐怖があり、鷲津詩郎の楽曲にはエンターテインメントがある。

もしプロフィール写真を撮ることがあれば電車を咥えて写真を撮りたい。


5月17日

PunPunCircle

今日はde.te.ri.o.ra.tionが誇る天才PunPunの誕生日。なんて風に、軽い感じで天才などと言われても喜ぶ人ではない。ごめん。しかし彼はいつでも周りをよく見ている人で、以前ミツメのBLITZ公演を一緒に観に行ったときに、僕が「意外と男の人が多いんだね」と言ったら、即座に「女性は男性より身体が小さいから、こうやって同じ高さのフロアにいると、男性の影になるからそう見えるのでしょう」と答えてみせた。僕は軍師と話しているのかと思った。狩人の目を持っているなと感心した。

そんなPunPunの音楽活動、PunPunCircleの久しぶりのリリースが近く、電話やメールでやり取りをするには面倒くさい件があったので、誕生日と打ち合わせ、どちらがついでなのかはわからないけれど、ニコラで会うことにする。狩人の目をもつミュージシャンPunPunだけど、ニコラでは店主の曽根さんとBlack Pinkの話に花を咲かせ、ユカさんにバースデイメッセージ入りのケーキを出してもらうと笑顔を浮かべ、とても楽しそうにしていた。不要不急という言葉がついてまわるが、誘ってよかったと思った。

ちなみに打ち合わせ自体は2,3分で終わった。


5月18日

ジンギスカン鍋

うちには立派なジンギスカン鍋がある。買うまでの長い間、「買ったところで一年に何回使うのだろうか?」と、なかなか踏み切れなかったのだけど、いざ買ってみるとジンギスカンは家族に好評で月に一、二度は食卓に登場する。買ったのにほとんど使わなくて手放したのはリッケンバッカーの12弦だ。あとミニムーグもそんなには使っていない。

ジンギスカンに戻ろう。これは我が家のローカルルールだけど、最初、溝にもやしを敷き詰めて、弱火で蒸すような感じで火を入れる。もやしがいい感じになったら中火にして真ん中でラム肉、マトン肉を焼く。最後は野菜の水分と肉の油が溜まった溝にタレを加えて、うどんやそうめんを泳がして食べる。うまい。

換気扇を回し忘れたせいで家中が羊になる。


5月19日

暇だとろくなことをしない。スーパーで明太子のバラ子が安かったので、ついつい買ってしまう。先日、SNS上のやり取りで、磯辺揚げに明太子を散らすと美味しいと教えてもらったのが頭に残っていたからだろうか。しかし作るのはそれではなく、子供が好きな明太子スパゲティにする。

明太子スパゲティというものにあまり興味がなく、外食するときにそれをオーダーすることはまずない。どうせパスタ料理を食べるなら地域性のあるものを食べたいから。当然、作るのは初めてで、手間をかけるわりに市販のソースと大差ない気がして、あまり気分が乗らないなか調理する。しかしまあ、ボッタルガのスパゲティみたいなものなので、それっぽく完成する。妻に海苔を刻むのを頼んだら太くて、そこだけ気になったが、それは口にせず感謝を伝える。

食べてみたら、あれ?美味しい。そっか、ちゃんと作ったら美味しいのか。バター、明太子、大葉、海苔で美味しくないわけがない。日本人が家で和風パスタをつくれば、それは郷土料理。


5月20日

無知

妻と息子に「政治のキホンが2時間で全部頭に入る」という子供向けの公民の本を勧められるが、青ネギを刻んでいるうちに忘れてしまった。でも、やっぱり読んだ方がいいかもしれない。物を知らないと批判された歌手の人がいたからというわけではないけれど、知らないよりは知っている人になりたいとは思う。これは自分の性格の話。知らないから物を言うな、なんて批判も乱暴だとは思う。なんというか、SNSは“こうであってほしい”という願望の洪水に思える。それも悪いとは思っていないのだけど、歳をとったせいか、どこを向いても疑問が残る。まあ、他人のことはいいか。自分が無知だという自覚があるのだから、正しいと信じていることを伝える時は、より慎重でいたいと思う。


5月21日

羨ましい

ここ数週間
ほぼ家から出ず
ずっとグータラしている人
このままでは大変なダメ人間が出来上がってしまうかもしれない

今、中学生に生まれたかった



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執筆者:橋本 竜樹 / ハシモト・タツキ

de.te.ri.o.ra.tion主宰、Deterio Liber発行人。

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