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Where Are You Going? 〜第六回 内藤彩の音楽紹介コラム〜


非西洋圏の音楽紹介コラム。第六回は前回に引き続き内藤彩さんです。

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ここ数年で「非西欧圏の音楽」に触れるにあたって意識が変わり、レコード屋に行く時にWORLDコーナーをチェックする様になりました。お店によって力を入れている国や民族は違うので見ていて楽しく、私は実際に手にとったレコードから国や民族、音楽や文化までも知る事が多いです。

その中から、高音質フィールド録音ならおなじみのフランスの民族音楽名門レーベル「OCORA」の、79年にモン族の民族音楽を現地で収録したレコードを紹介します。

Môn ‎– En Thaïlande – La Musique Traditionnelle Des Môn



Discogs

Mon=「モン族」とは東南アジアで最も古い少数民族のひとつで、現在はミャンマー最大の都市ヤンゴンをはじめ各地に移り住み、独自の文化を今に伝えています。ミャンマーは135もの民族が住む多民族国家で、大きく分けて8つ(ビルマ族、シャン族、カレン族など)あり、全体の2%がモン族だそうです。(※ミャオ族の支族であるHmongのモン族とはまた違います)


これはそんなモン族の音楽に特化している録音物で、主に2種類の演奏団体が演奏しており、A面にダンス音楽や劇場、宗教音楽で聞かれる旋律的な打楽器のオーケストラ演奏、B面に呪術の儀式や結婚式、歌の伴奏するために使われる弦楽器と管楽器のオーケストラ演奏が収録されています。グループの構成は村や音楽家によって大きく異なるそうです。

ミャンマーの伝統的楽器は大きく6種類。このA面は響きが印象的な円形の真ちゅう製のゴングを並べたpatkayngとミャンマーの木琴pattalaがメインで構成されており、この2つの楽器の音色がすごくいいです。

1枚目:patkayng 2枚目:pattala
(このpatkayngの写真はインサートに掲載されていたものです)


素朴な雰囲気。ポリリズミックに鳴る音色が優しく浮遊感があり、時にトイ・ミュージックの様な趣きで、疲れ気味の時にそっと流したい我が家の癒し重宝盤です。

youtubeなどに音源がなく、添付・用意できませんが視聴リンクが貼っている中古レコードショップのサイトが何件かありました。説明も詳しく記載されていますので、もし興味があったら聞いてみて下さい。


この自粛期間に、1970年代の政治的混乱に揺れるメキシコを舞台に、とある中産階級の家庭に訪れる激動の1年を、若い家政婦の視点から描いたアルフォンソ・キュアロン監督のNetflixオリジナルのヒューマンドラマ『ROMA/ローマ』に甚く感動し、そこからメキシコに行ってみたいと思っています。

メキシコの気になっているアーティスト。ギタリスト兼コンポーザーのロランド・チアの作品はアコースティック・ギターが自作のメロディーを優しく温かく包み、心地良さを与えてくれます。

Rolando Chia /Sara Juega Y… 


Discogs


すぐ影響されるので….笑 メキシコ料理を食べに行きました。メキシコには、チョコレートを使った有名な料理ソース「モレ」があります。お酒はやっぱり….テキーラ!!

モレソースをかけたチキンソテー

地方により多少材料が異なるモレソースですが、普通はクミン、ナッツ、シナモン、黒コショウ、チリペッパーなど何十種類ものスパイスからできているそうです。チョコレートが入っているのでクリーミーな深い味わいでした。

こちらは日本では珍しいサボテン・サラダ。健康食としても注目度も高いようで、茎ワカメのような感触でした。

ちなみにモン料理は果物の酸味を効かせたすっぱ辛い味付けになっていて、ウコンを多用するのも特徴。黄色い色味の料理が多く、ヘルシーな食事を好む方に注目されているそうで、いつか食べてみたいです。


執筆者:内藤彩(ナイトウ アヤ)

大学在学中に演奏活動を始める。現在はTHE RATEL、Suidobashi Chamber Ensemble、菅原慎一BANDのメンバーとして活動する他、各方面でのサポート、ソロ活動をおこなっている。

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