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橋本竜樹の日記〜2020.07.03-07.09
7月3日
幽霊
SNSで「ノンポリがカッコいいとか、もうそいう時代じゃないので。」というポストを目にした。僕は政治の表舞台にいる人達、全員に対して懐疑的だ。自分が裏方の人間だからかもしれない。こういう考え方もノンポリなのだろうか。思想の闘争の枠、多様性という枠、共感という枠の中に入れない幽霊のような人間はたくさんいる。といいつつ幽霊だって期日前投票に行く。そしてケーキを買って帰る。
7月4日
とうもろこしのかき揚げ
とうもろこしの天ぷらを作ろうとしたのだけど、うまく削ぎ落とせなくて、仕方なくかき揚げにした。衣が多くて野暮ったい仕上がりになってしまった。
7月5日
ニュース速報
妻がつけているテレビの開票速報を横目に、夜の散歩に出かける。
7月6日
プロ野球チップス
ニコラの曽根さんから「洋次郎に渡しておいて」とプロ野球チップスのカードを受け取る。広島東洋カープの大瀬良投手の7色に輝くカード。確かに我々には無用だ。洋次郎氏はすごく喜んでいた。
7月7日
鮭
魚売り場にいくと必ず鮭のアラを探す。だいたい1パック200円くらいで買える。塩を振って一晩、寝かしてグリルで焼いて食べる。年齢と共にますます太りやすくなっているので、白米に対して恐怖心があるのだけど、鮭にはやっぱり米だな。腹身と米だな。
7月8日
挫折
若い頃、初めてレコードを出した20年前、それより前からかもしれない、ずっとアニメーションのMVに憧れている。誰かに頼めばいいのだろうけど、そういう人に繋がるツテもないまま時間が経ってしまった。コロナ禍で暇をしているとき、気の迷いで「自分で作ってみよう」と思い立ち、なかなかのスペックのiPadを注文してしまった。明日、それがやっと届くらしい。仕事が戻ってきているこのタイミングに。でも買ったからにはやらなければいけない。もし出来なかったら? 浪費はまあいいとして、新しいことを始めようとして失敗する挫折をまた味わわなければいけない。この年齢で。ああ、気が重い。
7月9日
夢
友達が若い頃の姿で夢に出てきた。自分は歳をとったのだなと実感する。
これを俳句や短歌にできたらよかったのにと思った。
前回までの日記
執筆者:橋本 竜樹 / ハシモト・タツキ
de.te.ri.o.ra.tion主宰、Deterio Liber発行人。