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日雇い作曲家の日記〜2020.09.04-09.10



9月4日
ラーの鏡


3年ぶりにヘアサロンへ。少しずつ髪を短くしていくことに決めたので、まずは第一歩として、パーマにして結べるくらいの長さにしてみた。それにしてもヘアサロンは明るい。明るい場所に設置してある大きな鏡の前で、頭部を強調した状態の自分と向かい合うのは、なかなかきつかった。3年の間に髪質に張りがなくなり、こころなしか薄くなってきたとか、こんなところにもシミができているとか、普段の生活では気づかない老いに驚かされる。若ぶりたいわけではないが、自分が思っているより自分が歳をとっていることに気付かされた。


9月5日
残り物

ここ数日の残り物で家族の昼食の用意をする。余っていたステーキ肉を焼き、フリッタータとスネ肉の煮込みを皿に盛る。これだけでは少し寂しいと思い、冷蔵庫をあさっていたら竹輪の磯辺揚げがあったので乗せてみた。意外と馴染んでいるが、肩身が狭そうにも見えて愛くるしい。




9月6日
男子の弁当

妻より息子が通っている塾の土曜特訓みたいなのが始まるとの通達があり、土曜日も弁当が必要になってしまった。食の好みが大味な息子なので焼肉弁当でいいだろう。ソーシャルディスタンス昼食らしく、各デスクで衝立を立てて食事をするらしいので、臭いを気にすることもないだろうと、たっぷりのおろしにんにくをタレに混ぜ込んでおいた。キムチも入れておいた。




9月7日
自虐について

自虐の何が良いって、楽ちんなことだ。自分に嘘をつかなくていいのは楽ちんだ。自虐を他人に笑ってもらえると、なお嬉しいのだけど、それは気を使われているだけだったりする。他人に迷惑をかけて自分だけ楽ちんになるのは良くない。そういうわけで自虐ダメ。特に歳をとった人の自虐は特にダメ。気をつけよう。


9月8日
オタ

娘は学校から帰宅するなり、僕がゴロゴロしている寝室に入ってきて、興奮気味に「今日、学校で今までで一番価値観の近いオタを見つけた!二次創作の捉え方とかも分かり合えて、もう めちゃくちゃ早口で語り合ったわ!」と、それもまた早口で話してきた。

「オタを見つけた」じゃなくて、友達ができたのでは?と思ったけど、そう言わないところが陰の者の矜恃とも言えるのかな。よかったね。


9月9日
ジャスミンハイ

久しぶりに朝まで仕事をした。決して忙しいわけではなく、生活サイクルがずれただけなんだけど。お弁当の残り物で朝のワイドショーをみながら、濃いめのジャスミンハイで晩酌する。




9月10日
下町スワローズ

相変わらず「男はつらいよ」をつけて仕事をしている。寅次郎の甥の満男がスワローズのキャップを被っていた。


前回までの日記


執筆者:橋本 竜樹 / ハシモト・タツキ

de.te.ri.o.ra.tion主宰、Deterio Liber発行人。

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