Now Loading...

de.te.ri.o.ra.tion

MAGAZINE

日雇い作曲家の日記〜2020.12.31-2021.01.07



12月31日
大晦日

近所のスーパーが今年のお正月は5日までしっかり休むらしく、お正月の買い物に出かける。いつものスーパーが催し場のようで、楽しくもあるが、お正月価格でなにもかもが高い。娘が正月っぽいものを欲しがるので、花屋でとても小さな松の盆栽を買う。あとは大掃除。普段やらないところを掃除しようと、スツールに乗って冷蔵庫の上を覗いたら、そこは腐海のようだった。みんな適当に自己満足して、中途半端なところで大掃除を切り上げる。あとは鏡餅を飾って終了。良いお年を。


1月1日
お弁当

朝から息子の塾の弁当。少しくらいは正月気分になってもらおうと、いくら丼にしてみた。自分が勉強と無縁な人生だったので、よくそんなに頑張れるなあと思うけど、これから東京の若者として過ごす子供たちが羨ましくもある。東京の若者に憧れる自分はつくづく田舎者だなと思う。


1月2日
善哉

子供の塾の弁当以外は、これといってすることもないので、ぜんざいをつくる。ぜんざいといえば「ぼくと共鳴せえへんか?」という一文が浮かぶ。町田町蔵が歌詞で引用していて、後に夫婦善哉の一文だと知った。織田作の大阪弁には色気があるな。


1月3日


初詣に出かけて、おみくじを引いてみた。初めて凶を引いた。○願望「何をどうしようとも岩のように物事がうごかないときはある」らしい。しかし考えてみると、これまで願望が叶った経験ってあるかな。斜め上から降ってくる幸運だけで生きてきた気がする。


1月4日
仕事

年末に提出したデモ音源の返事がポツポツと届き始める。あまり得意とはいえない、オーケストラ系とジャズ系の楽曲のOKがもらえて嬉しかった。なんでも屋とはいえ、もっと勉強しなければと思うのは、まだ年明けすぐだからだろう。


1月5日
仕事

楽曲の追加オーダーが来る。またオーケストラ系。もしかしてオーケストラ系ができる人ということになってきたのかもしれない。僕は怠け者なので、勉強を目的に勉強するというのはなかなか続かない。仕事だとサボれないし、自分の欠点が見えやすく、時にダメ出しをされたりするので、圧倒的に身につくのが早い。そして後追いで基本を確認するということになる。そんなだから知識は穴だらけで、いつまでたっても紛い物なんだろう。反省して勉強しよう。年始だし。


1月6日
日記

今年、最初のスタジオ録音。また緊急事態宣言が出るかもと言っているけど、麻布十番はなかなか賑わっていた。みんな慣れたり、呆れたり、諦めたり、うんざりしたりしているんだろう。レコーディング後、ニコラに寄って帰宅。


1月7日
日記

去年からよく一人でいく酒場へ。お正月の祝いにとグラス酒をいただく。緊急事態宣言が発令とのことで「すみません。ご不便をおかけします。」と大将が頭を下げる。誰にも謝ってほしくないし、誰も怒らないでいて欲しいと思う。


前回までの日記


執筆者:橋本 竜樹 / ハシモト・タツキ

de.te.ri.o.ra.tion主宰、Deterio Liber発行人。

©de.te.ri.o.ra.tion