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MAGAZINE

Where Are You Going? 〜第一回PunPunCircleの音楽紹介コラム〜


4年前にPunPunCircleという名義でアルバムを出してライブをして、それからしばらく活動をしていなかったのですが、
去年、ここdeteriorationでの縁から有志によるデモ音源発表会に参加し、久々に音楽を作りを再開し、結果今回リリースした4曲を作り上げました。詳細はこのポストに書いてあります。
去年7インチシングル(僕もギターで録音に参加)リリースしたnakayaan、主催の橋本竜樹さん、Prince Gravesのアミさん、たまたま集まった四人でしたが、全員が非西洋圏の音楽への興味が垣間見れる楽曲だった事は大変盛り上がりました。

そんな流れもあり、せっかくなのでその「非西欧圏の音楽」を改めて紹介してみようと橋本さんと話してて、
個人的に熱心に聴いていた中東地域のポップスを何回かに分けて書いてみようと思います。

ところで世界は今こんな状態で、そんな中ふと「他の国はどうなんだろう?」という具合で日本以外に目を向ける機会が普段より増えたなぁと感じます。

そんな中でエジプトのとあるミュージシャンがコロナウイルスについて歌ってる(歌詞は良く分からない)という楽曲に出会いましたので本編ではないのですが、まずは一曲ご紹介です。


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Here Come the Doves / Sabreen
Discogs

パレスチナ出自を持つイスラエル人が集まったバンド、Sabreenが1994年にリリースした作品。
Sabreenに関しては、ネット上を調べても作品情報がヒットするだけで、Wikipediaさえない為、中々語る事も難しいのですが。

このジャケットと祝祭感のある一曲目を聴いてやたら強く惹かれた作品です。



サズ、ウード、ダラブッカなど中東古典楽器で構成された楽曲ながら、西洋的な感覚で聞けてしまうのは、イスラエルのミュージシャンだからなのでは、と思っています。
中東周辺の音楽を掘っていて、直感的に「お、これ面白い」と思うのは中東国を出自にもつイスラエル人というパターンが結構多いです。

という事で、情報がないので時代と場所から想像したりするわけなのですが、本作リリースの前年である1993年は、数年続いたパレスチナ側の抵抗運動からイスラエルとパレスチナが「オスロ合意」で和平を約束し、パレスチナ自治政府が設立された年であり、きっと平和への機運がぐっと高まり、こういったミュージシャンにとっても大きな影響を与えた出来事なんじゃないかなと想像します。
アルバムタイトルの「Here Come the Doves」、つまり「鳩がやって来る」というわけですが、ノアの方舟を由来に持つ平和の象徴としての鳩を、エルサレムにいる当人達がタイトルにしちゃうくらいなので。(結局色々とうまくいかず今に至るわけですが……)

ちなみに、このバンドのシンガーKamiliya Jubranは2002年にヨーロッパへ移住し音楽活動を継続しソロ作品をリリースしています。
これがめちゃめちゃかっこよくて、しばらくSabreenとKamiliya Jubraが同一人物という事を知らずにどちらもお気に入りだったのだけど知った後はますます好きになってしまいました。



おまけとして、自作ケバブの写真をあげてみます。
しばらく家に閉じこもっていると、全く興味のなかった料理に関心を持ち良く作るようになりました。
その流れと、このポストがきっかけに、何か中東地域にちなんだものを……と、やっぱりそうなるとケバブか〜と思いまして……。
これ、写真では美味しそうに撮れないのですが、普通にちゃんと美味しかったですよ。



執筆者:PunPunCircle

2020年6月3日に『Spring – EP』がデジタル配信スタート。
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